3年間の日本での実習期間が終了し、母国へ帰国する技能実習生・特定技能実習生たちは、どのようなキャリアパスを辿るべきかを検討します。習得した知識や経験をもとに起業すべきか、企業に勤めるべきかなどといった決断を迫られます。実習終了に近づくにつれ、実習生たちの不安は募るばかりです。
今回の記事では、これらの疑問に対する詳細な情報と解答を提供します。実習生が自分自身のニーズに基づいた適切なキャリアパスを選択できるようにします。
実習生とは？
日本の技能実習制度とは、16歳から50歳までの外国人に対して、日本の企業における職業技能の訓練を提供する制度です。この制度は、参加者が日本で学んだ技能を帰国後に活かし、母国の経済や産業発展への貢献を目指すことを目的としています。
技能実習生が日本に滞在できる期間は最長3年で、これには「技能実習生1号」と「技能実習生2号」の期間が含まれます。
帰国後の選択肢
帰国後の実習生が選べるキャリアパスは多岐に渡ります。日本での3年間の生活と実習を経験した後、自分に合ったキャリアパスを見つけるために、次のような選択肢が考えられます 。
日本での継続的な就業
日本の会社文化は正確性、献身性、そして継続的改善の精神を重んじています。実習生の中には、研修期間終了後もこのような職場環境が整っている日本での継続的な就業を望む人も多くいます。日本での就業は、先進的な社会や高い生活水準を維持できるほか、日本の文化や人々についての理解を深める機会を提供します。
日本で長期的に就業するには、日本語能力の向上と、日本の会社文化やマナーに対する深い理解が求められます。職場で円滑にコミュニケーションをとるためには、日本語を流暢に話せることが不可欠です。
また、日本の会社文化に適応するために、積極的な学習姿勢と、 経験豊富な同僚や先輩からの知識の吸収が欠かせません。専門分野におけるスキルの継続的な向上や資格の取得も、日本における継続的就業の可能性を高めます。
第三国での就業
日本での技能実習を終えた人々は、先進技術を活かして第三国で就業することも可能です。特に、日本の技術導入に積極的な国々では、元実習生が日本での技術運用経験を有する労働力として重宝されることが期待されます。
ただし、言語の壁や文化の差異によって、就労ビザの取得や第三国の法律や専門的な環境への理解が難しくなることも考えられます。このような場合、他国の労働者との積極的な交流が、第三国での就職機会を見つける上で役立つ可能性があります。
起業
経験を積み、自己資金を蓄えた後に自営業として起業を選択することも可能です。日本での3年間の就労を経て、約25,000～29,000USDの貯蓄が見込めます。節約を心がければ、貯蓄をさらに増やすことも可能です。
実習生としての経験と貯蓄を活かし、農業、建設、製造などの関連分野で事業を新しく立ち上げることも選択肢の一つです。新技術やビジネスモデルを導入することで経済成長を促し、母国での雇用創出に貢献できます。
しかし、新規事業を始めることはリスクを伴います。財務管理、人材管理、ビジネス運営、そして市場動向についての十分な知識を身につけることが前提条件です。
技術コンサルティング
元実習生は、自らの経験と専門知識を生かして技術コンサルタントとして活躍する道を選ぶこともできます。日本で身につけた知識を用いて、ベトナムの工場や農場における生産プロセスの最適化、品質管理の向上、新技術の導入などを指導する役割を果たします。技術コンサルタントは、企業や組織の生産効率向上、コスト削減、製品の品質向上に寄与します。問題解決能力、戦略能力、そしてチームとの連携を通じた改善の推進を楽しむ人々にとって、コンサルティングのキャリアパスは理想的といえます。
初期段階で、最初の 信頼を築き顧客基盤を構築するがは容易ではありません。コンサルタントとして成功するには、最新の専門知識を常に更新し、時代に即した価値あるアドバイスを提供できるようにすることが必要です。
さらに、コンサルタントは追加の資格を取得するために積極的に研修やコースに参加することで、自身の信頼性を高め、それによってより多くのコンサルティング機会を獲得することができます。
政府プロジェクトへの参加
元実習生は、自らのスキルと経験を活かして、政府プロジェクトへの参加も検討できます。これらのプロジェクトでは、インフラや公共サービスの改善を通じて、国の生活品質を向上させることが目指されており、自らの能力を発揮し、大きな社会貢献を果たす絶好の機会となります。参加できる分野には、都市計画、再生可能エネルギー、水資源および廃棄物管理など、持続可能な開発に寄与する重要な領域が含まれます。
政府プロジェクトへ参加する場合、政府機関、非営利組織、国際機関など、多様な関係者との連携が必要です。地域課題への深い洞察と、日本で習得した技術を異なる環境に適応させ、応用する能力が不可欠です。
まとめ
日本での技能実習から母国へ帰国後、実習生には多様なキャリアパスが開かれます。いずれの選択をした場合も、日本で習得したスキルと経験をいかに活用するかが重要です。新しい環境への柔軟な適応能力は、自ら選んだ道で成功を収めるために不可欠です。