日本の「女性」が輝くために

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日本の「女性」が輝くために

今回は日本社会における、日本女性のステータスについてお話をします。別記事私たち日本人がベトナムを好きな10の理由でも書きましたが、ベトナムの「女性を大事にする社会」に対し、日本は、同じような社会である、とはいえません。

これまでの歴史もふまえて、日本社会の中で、日本女性がどのような立場にあるのか、この点について、ぜひみなさんに知ってほしいことがあります。

日本の女性

女性の社会的立場の問題については、日本だけに限ったことではありません。世界では、女性が弱い立場におかれることは、これまでの歴史にも多くあったことは、みなさんも知っていると思います。

この記事では「男女平等だんじょびょうどう」ということばを、キーワードにしますので、ぜひ覚えてください。男女平等は、社会の理想です。しかし、この社会を作ることは、かんたんなことではありませんし、女性ばかりを大事にしてしまっては、男性が弱い立場になってしまいます。大事なことは、お互いが尊重そんちょうしあえる社会を作ることです。

日本にある「女性の社会問題」は、次のようなことが、あげられます。

  • 妊娠にんしん、出産、子育て、というライフイベントで、仕事や昇進しょうしんのチャンスを失っている
  • 企業の管理職かんりしょく経営者けいえいしゃの男女割合は、女性が少ない
  • 日本の政治家せいじかは、女性議員ぎいんの割合が少ない

これらの問題について、詳しく説明したいと思います。

日本女性の歴史

日本で初めての女王

日本には昔、女性の王がいました。その女王の名は「卑弥呼ひみこ」です。日本の歴史で、はじめて女性で王になった人と言われています。これは日本の縄文じょうもん時代、西暦240年ごろの話です。当時、日本は邪馬台国やまたいこくという名前の国でした。

女性のリーダー

その後の日本の歴史においても、女性が天皇となったり、政治を動かしていた時代は何度もありました。歴史の教科書にも、それぞれの時代に活躍した女性は、必ず紹介されています。しかし、日本の1600年ごろから、女性が社会をリードする流れは少なくなっています。

大奥

日本の「女性史」を話すうえで、欠かせないのは、「大奥おおおく」です。大奥とは、江戸時代(1600年~)にお城の中で、将軍しょうぐんとその家族、お世話をする女性たちが住んでいた「エリア」のことです。

この大奥には、将軍以外、男子が入ってはいけません。これを「男子禁制だんしきんせい」と言います。女性だけの社会で、身分が決められていました。上の位の人が言うことは、絶対守らなけらばならない、とてもきびしいところでした。

この「大奥」については、日本のテレビドラマや映画で、シリーズとなっていて、日本人にとても有名な歴史です。興味きょうみがあれば、調べてみてください。

女性の権利

日本の明治時代ごろから、日本では「女性の権利けんり」を目指す運動が、女性たちによって起きました。しかし、このときの日本社会は、「男は仕事、女は家庭」という役割が、はっきりと、されてきました。

日本には、良妻賢母りょうさいけんぼという、ことばがあります。これは、漢字からすると良い意味ですが、本当の意味は「女性は家事かじをして、良い妻、母でありなさい」ということです。

これは、いいかえると「女性は社会に出なくてもいい」「女性は学校に行く必要はない」といえます。

こうした考えは、第2次世界大戦ごろまで日本にあり、そのころまで、日本の女性は、選挙せんきょに行く権利がありませんでした。日本で女性が選挙に行けるようになったのは、戦後、1945年のことでした。

女性の社会進出

1946年に、女性に選挙の権利が与えられてから、日本にも女性議員も誕生しました。しかし、その女性割合は高いものではありません。

スイスにある組織が調査したレポートによると、2019年の現在であっても、世界の女性議員割合が約24%であるのに対し、日本は約10%ほどです。先進国の中では、いつも最下位が日本です。

また、国際労働機関の調査によれば、日本における、企業の女性管理職かんりしょくの割合は、約12%と、世界の27%という平均に対して、低い数字です。これもまた、先進国の中で最下位の数字です。

ベトナムは女性管理職割合は30%を超えているというデータ(米国の会計事務所)もあり、アジアではトップクラスで高いことが分かります。

日本政府は、女性の管理職を「2020年までに30%」にする、という目標を立てていましたが、2018年は約12%ですので、30%に届きそうにありません。

日本女性のいま

世界とくらべて、日本の女性が活躍かつやくしにくいのは、なぜでしょうか。その答えの一つは、日本の文化にあると思います。先ほど書いた、「良妻賢母」という考え方は、 日本社会において、いまもなお、良いことだ、当たり前だ、と思う人たちが男性を中心にいます。

女性と仕事

また、日本の女性は結婚や出産をすると、会社を辞める習慣が、今もあります。結婚や出産を理由に会社を長くお休みすると、管理職かんりしょくになる予定だった人が、会社に戻っても、そのチャンスが、なくなっていることが多くあります。

私が日本の会社で働いていたときも、周りの女性で、「結婚」か「仕事」か、どちらを選ぶべきか、なやんでいる方がいました。結婚をして、出産をして、仕事を続けるということは、日本では「当たり前」ではないのです。

女性と家庭

世界では、ヨーロッパを中心に、女性が「仕事」をして、男性が「家事」をすることが一般的な国もありますが、日本では、ほとんどありません。女性が仕事を続けるためには、家族や、夫の協力なくしては、実現できません。

日本企業には、育児休暇いくじきゅうかといって、子育てのために、会社を一定期間お休みする制度があり、これは男性も取得できます。しかし、日本男性の多くは、これを取得できていません。

日本人の中には「私が休む間に、仕事が進んだり、知らないことが増えたりしたら、どうしよう」と悩む人が多く、これが取得できない理由となっています。

まとめ

「日本社会」と「女性」についてお話をしました。最後に私の意見を伝えます。

日本には、「女性専用車両」というものがあります。電車の1車両が女性だけ乗れるようになっているのです。これは、男性からの痴漢ちかん暴力ぼうりょくから女性を守るために、作られました。

こうした取り組みは、とくに世界にほこれるもの、ではないですが、「女性の声」から出来たものです。日本はまず、こうした「女性の声」が社会に届きやすい世の中にすべきなのだと思います。そのためには、女性は「こうあるべき」という世の中の考え方を変えるべきです。

「世界と比べたら、女性が大事にされていない」「日本社会はだめだ」と、あきらめるのではなく、少しずつ改善している日本社会を、全員が意識する、マインドチェンジすることから、始めなくてはなりません。

また、これから先、日本社会を支えるのは、日本人だけではありません。外国人が日本を支えることになると私は確信しています。そして、そのときは、人種国籍だけでなく、男性、女性の性別関係なく、男女平等に社会で活躍できる世の中になってほしいと願っています。

こうした日本社会の中で、私は、近い将来、日本で初めての「女性総理大臣」が出てきてほしい、と思っています。また、政治家は日本人だけである必要はなく、日本を愛するすべての人にチャンスがおとずれてほしいと思います。

日本の未来を支えるみなさんに、今回は日本社会の大事なお話をしました。