日本で「やってはいけない」こと

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日本で「やってはいけない」こと

今回は日本のルールやマナーにおいて、注意しなければならないことをお話します。最近日本では外国人旅行者とのトラブルが起きていて、観光地かんこうちの人が困っている話を、よく聞くようになりました。

ただ、これは「外国人のマナーが悪い」ということだけが理由ではなく、日本のルールやマナーが、海外の人に知られていない、日本がうまく説明できていない、ことも理由の一つだと思います。

みなさんがすでに知っていることも多いかと思いますが、改めて、日本の禁止きんしのルールやマナーについて確認をしていきましょう。これらを守らないと、犯罪はんざいになり、逮捕たいほされる場合もあるので、注意してください。

線路内立入禁止

日本では電車の線路せんろに入ることは禁止されています。これは、電車が走っていないときでも同じで、敷地しきち内に入ることは、法律ほうりつで禁止されています。

線路で写真を撮ると、いい風景ふうけいが撮れるかもしれませんが、日本では絶対にやってはいけません。また、線路に石やモノを置いたりすることも禁止されています。子どもがいる方は、注意してください。石を置くことは、とても重いつみになります。

日本では、神奈川県「鎌倉かまくら」にある電車が外国人、特に台湾の方に人気です。ここ鎌倉は「スラムダンク」というバスケットボールをテーマにしたマンガ(アニメ)で出てくる場所で、多くの外国人が写真を撮りにきます。

しかし、電車が来るギリギリまで線路にいる人や、電車に手が当たりそうなくらい、カメラを近づける人がいて、現地の人はとても困っているそうです。今ではセキュリティーの人が踏切に立っているほど、この問題は深刻しんこく です。

「電車を遅らせる」ことは、多くの人の迷惑めいわくとなり、電車の会社から大きな損害賠償そんがいばいしょうを求められることもあるので、気をつけてください。

撮影禁止

日本で写真を撮ることができない場所には、「撮影禁止」のマークがあるはずです。もし写真を撮ってもよいか、知りたいときは、周りの人に聞きましょう。日本の美術館びじゅつかんや、博物館はくぶつかんでは撮影が禁止されていることが多いです。

これは著作権ちょさくけん(copyright)を守るためであり、日本は大変「著作権」に厳しい国なのです。また、他の人が写るかもしれない写真撮影は、ショッピングモール(例:イオン)やカフェ(スターバックス)で禁止されているところがあるので、気をつけましょう。

他にも本屋や、図書館などで、本または雑誌を撮影することは禁止されています。日本ではこれを「デジタル万引き」と呼ばれています。日本の本屋には、本を買わずに、立って読む人(「立ち読み」といいます)が多くいます。

しかし、あまり長い時間、買わない本を読むことは良くないので、気をつけてください。また、本の中が見えないようにラッピングされている本や雑誌もありますが、ラッピングを外さないように気をつけてください。

タバコの禁煙きんえん

日本ではタバコを吸うことができるところが、どんどんと少なくなっています。それは、あなたが住むアパートも、好きなレストランも、サッカースタジアムも、色々なところで「禁煙」のルールが決められています。

中には、会社がタバコを禁止するところもあり、日本で「タバコを吸えるところ」をさがすのは、とても難しいかもしれません。

また、歩きながらタバコを吸うと、罰金ばっきんを取られるエリアもあります。さらに、タバコやゴミを道に捨てると(「ポイ捨て」といいます)、これも罰金を取られます。

日本では歩きながら吸っていたタバコが、子どもの目に入り、ケガをしてしまう事故がありました。また、タバコを吸っていない人でも、タバコのけむりを吸うことで、身体に悪い影響えいきょうがあることも問題とされ、「タバコの吸い方」に、とても厳しい社会になっています。

列の割り込み禁止

これは日本人同士でも、たくさんあるトラブルです。日本では、駅やレストラン、テーマパーク、どこに行くにも長い列を見かけると思います。その列の順番を守らないで、「割り込む」ことは、必ずトラブルになるので、やめましょう。

もしトラブルになれば、「軽犯罪けいはんざい」として、扱われるかもしれません。せっかく日本に来たのに、どんなに軽い犯罪でも、「犯罪者」になることは、しないでください。

もし、「列の一番後ろ」がわからないときは、「すみません、ここは最後尾さいこうび(一番後ろのこと)ですか」と聞いて下さい。もしくは、「ここが最後尾」という看板を持ったスタッフの方が、いることもありますので、探してみましょう。

また、もし割り込みをする人がいたら、「ここは最後尾ではありません」と教えてあげてください。

ゴミ出しのルール

日本は、「ゴミ」に関するマナーがとても厳しいです。「もえるゴミ」と「もえないゴミ」「空きカン・ビン」「資源しげんゴミ」「粗大そだいゴミ」とタイプはたくさんあります。この「ゴミ出し」ルールを守らないと、近所とトラブルになるので、気をつけてください。

このルールは、みなさんが住む町や市によって、違います。また、ゴミを入れる袋も、町や市によって違うので注意してください。スーパーのビニール袋に入れても回収してくれません。

ゴミ出しが出来る曜日、時間は決まっているので、アパートに住み始めたら、はじめに確認しましょう。朝、時間がないから、夜にゴミを捨てると、カラスがゴミ置き場を荒らすので、時間にも気をつけてください。

ゴミ出しのルールは、日本でトラブルになっていることが多く、「もえるゴミ」の袋に、「もえないゴミ」を入れたり、ガスの入った缶の、中身のガスを抜かずに出したりすると、ゴミを集める人に大きな迷惑(めいわく)がかかります。

特にガスの入った缶は、中のガスを残しておく、爆発することがあります。
「ガスの抜き方」は、ラベルに書いてあるので、しっかりと読み、ルールを守ってください。

落書き禁止

公園の遊具や、お寺、神社の柱に、ペンで名前を書いたり、絵を書いたりすることを「らく書き」といいます。世界のどこに行っても、落書きを見ることがありますが、もちろん日本では「禁止」されています。

街中で、自分のものではないものに、落書きをすると、逮捕たいほされることもあるので、絶対にしないでください。

まとめ

日本のルールやマナーは、私たち日本人も、気をつけなければならないことです。しかし、日本人の中には、このルールやマナーを守ることが出来ない人もいます。ですから、日本の人が「やっている」から、自分もやっていい、とは思わないでください。

こうした「やってはいけないこと」は、必ずだれかが見ています。日本では、「悪いことをしたらお天道様てんとうさま(太陽のこと)が見ている」と、小さいころに、親から教わりますが、私は今でもこれを信じています。

最近では、街中にカメラがあり、スマートフォンがあるので、誰があなたを見ているかわかりません。

海外に出れば、みなさんは「国の代表」として見られるので、国のイメージが悪くならないように気をつけましょう。それはベトナムに住む、日本人わたしたちも同じです。

日本に来る人も、迎える日本人も、お互いが、よく理解しあって、交流できる社会にしていきたいですね。