近年、ベトナムと日本の間の外交関係は日々発展を遂げています。これにより、若いベトナム人労働者は日本での生活と就労の機会を今まで以上に手にしやすくなりました。今回の記事では、技能実習生として内定を受け取るための重要なポイントについて説明します。
技能実習生とは
技能実習生とは、外国人が日本で技能実習プログラムに参加する際に用いられる一般的な呼称です。
この外国人向け技能実習制度は、16歳から50歳までの外国人労働者に日本の企業での職業技能訓練の機会を提供することを目的としています。技能実習生は、この制度を通じて習得したスキルを実務に応用する訓練を受け、帰国後はその知識とスキルを活用して自国の経済や産業発展に貢献することが期待されています。 (出典: 日本の技能実習生ガイドブック)
技能実習の段階
技能実習制度には3つの段階が存在します。
技能実習1号(期間1年)
技能実習の第一段階となります。以下の条件を満たすことで、技能実習生として応募することができます。
- 日本語能力:一定の日本語能力レベル(N5-N4相当)を有すること
- 技能条件:日本の機関が実施する技能試験に合格すること
技能実習2号(期間2年)
技能実習1号を終えた後、技能実習生は次の段階に移行し、受け入れ企業で「技能実習2号」として続けて実習・勤務するための試験を受けなければなりません。
上記2つの段階の合計期間は3年です。大部分の職種において技能実習2号まで適用されますが、技能実習1号で終了する職種も一部あります。
技能実習3号(期間2年)
技能実習3号は特定の職種にのみ適用されます。技能実習生は技能実習3号になるために、段階移行のための試験を受ける必要があります。しかし、ほとんどの職種において技能実習2号を終えた後、実習生は自国に帰国するケースが多いです。
また、特定技能制度による労働形態もあります。しかし、この形態は技能実習に比べて、より高度な技能や言語能力が求められます。
応募者へのアドバイス
実習生の選考試験に合格するためには、入念な準備が必要です。円滑なコミュニケーションを実現するための日本語能力の向上はもちろん、面接での質問への対応能力、態度、振る舞い、服装など、多方面にわたる配慮が求められます。内定獲得への第一歩は、面接で良い印象を残すことから始まります。
準備すべきこと
日本語学習
日本で働くためには、コミュニケーションが非常に重要です。そのため、最初に行うべきことは、日本語学習です。日本語能力が高ければ高いほど、面接官に良い印象を与えることができます。
技能実習制度では、日本語能力や専門技能に関する厳格な要件はありませんが、基礎的な会話スキルは必要です。また、企業や組織によって、N5からN4の日本語能力の証明を求める場合があります。
外国語スキルの要件を満たしていない応募者は日本渡航前に約4~6ヶ月かけて日本語研修に参加できます。この研修では、応募者が円滑なコミュニケーションスキルを身につけ、言語の壁を乗り越えられるようにするサポートを行います。
特定技能制度においては、応募者は以下の要件を満たす必要があります。
- 日本語能力試験N4レベル、または国際交流基金主催する試験でA2レベルを有すること(この試験はコンピュータ上で行われ、年に6回程度実施されます)。
- 各分野に応じた技能評価試験に合格すること。
仕事への理解
日本で働く際には、従事する仕事について深く理解する必要があります。技能実習生として選考試験に臨む前に、自身が志望する業種に関連する書籍などを読み、業界の情報を積極的に調査することが推奨されます。
また、日本での就労は、単に企業の規則を守ることだけでなく、日本の文化、生活様式、法律への積極的な適応を求められます。日本の文化や習慣について、インターネットを通じて情報を収集したり、日本で生活や仕事の経験がある先輩たちとの交流を深めることが有益です。
健康管理
技能実習プログラムへの参加を希望する外国人は、健康診断の結果が良好であることを証明する必要があり、そのためには日本大使館の基準に基づく健康証明書を取得することが求められます。
日本政府は、労働者の健康に関して特定の基準を設けており、特に13種類の感染症に罹患している場合、技能実習プログラムへの参加資格を得ることができません。日本政府によって入国禁止とされている疾患は以下のとおりです。
- 神経系疾患:運動障害、脳腫瘍、筋萎縮性側索硬化症など
- 心臓血管系疾患:先天性心臓症、心筋梗塞、心臓弁膜症など
- 消化器系疾患:肝炎、胃十二指腸潰瘍、消化器癌など
- 呼吸器系疾患:気管支喘息、肺膿瘍、肺線維症など
- 内分泌系疾患:糖尿病、上腺腫瘍、甲状腺機能亢進症など
- 生殖器系疾患:性感染症、卵巣腫瘍、膀胱癌など
- 精神疾患:ヒステリア、分裂症、情緒障害など
- 眼科疾患:網膜変性、鼻腔炎、脳膜炎など
- 皮膚疾患:乾癬、皮膚刺青、HIV/AIDSなど
- 腎臓と泌尿器系疾患:急性および慢性腎盂炎、多発性腎腫瘍、尿路結石など
- 骨格筋肉系疾患:第3段階の脊椎変性、骨髄炎、関節周囲炎など
- 耳鼻咽喉科疾患:肺アスペルギルス症、呼吸器閉塞、肺膜炎など
- 口腔顎顔面疾患:口腔顎顔面異常、口腔粘膜腫瘍および各種の腫瘍など
面接に参加する際の注意事項
時間厳守
実習生を対象とした面接では、徹底した時間管理が採用担当者に好印象を与えることに役立ちます。特に、日本人は仕事において時間厳守を重要視します。面接開始時刻の10〜15分前には到着することを推奨します。
外見と服装
面接に際しては、派手な服装や髪色を避けるべきです。日本では、応募者の外見に対する評価が厳しいため、面接時には服装や髪型に注意を払う必要があります。
外見について
- 前髪が額を覆わないようにし、染髪や過度のスタイリングは避ける。
- ひげを伸ばさない。
- 爪は短く保ち、アクセサリーなどの着用を控える。
服装について
- 短パンやTシャツのようなカジュアルな服装を避ける。
- スニーカーやサンダルなどを避ける。
面接でのマナー
面接では、以下のマナーに注意することを推奨します。
- 入室前にドアをノックし、面接官からの許可がでたら入室する。
- 入室の際は、面接官に向かって軽く微笑み、45度の角度でお辞儀をし「失礼します」と言う。
- 着席時は、背筋を伸ばし、あごを出さず、背もたれにもたれず、貧乏ゆすりしない。
- 面接官の質問に、明確な回答をする。
- 会社について深く理解するため、面接官に逆質問する。
- 面接終了時は、座席から立ち上がり、感謝の言葉を述べた後に退室する。
まとめ
技能実習制度への応募者が選考過程で留意すべき点や準備事項は多岐にわたります。今回紹介したポイントが応募者の内定取得につながることを願っています。