日本で外国人が就職するためのステップを徹底解説

日本で外国人が就職するためのステップを徹底解説

日本でのキャリアを築きたい外国人の数は年々増加しています。厚生労働省のデータによると、外国人労働者数は2023年に過去最高を更新し、製造業、サービス業、IT業界を中心に採用が拡大しています。しかし、日本で合法的に働くには、在留資格(ビザ)の取得や就労範囲の確認など、いくつかの重要な手続きを経る必要があります。この記事では、出入国在留管理庁(公式サイト)の情報をもとに、外国人が日本で就職するための具体的な流れをわかりやすく解説します。

日本で働くために必要な在留資格(ビザ)の種類と特徴

外国人が日本で働くには、職種や雇用形態に応じた「在留資格(ビザ)」を取得しなければなりません。在留資格によって就労可能な業務範囲や申請条件が大きく異なるため、自分のキャリアやスキルに適した種類を選ぶことが重要です。

技術・人文知識・国際業務ビザ ― 最も一般的な就労ビザ

このビザは、大学を卒業した人や専門知識を有する人が対象で、企業の正社員として働く外国人の多くが利用しています。職種はエンジニア、通訳、マーケティング、デザインなど幅広く、専門性と日本語能力が重視されます。

特定技能ビザ ― 人手不足分野での就労を可能にする制度

2019年に創設された「特定技能」制度は、介護、宿泊、外食、建設、製造業など、深刻な人手不足が続く14業種での就労を認めるものです。日本語能力試験N4以上と技能試験の合格が主な要件で、実務経験がなくても挑戦可能です。

経営・管理ビザ ― 日本で会社を設立・運営する場合

日本で事業を始めたい外国人起業家には「経営・管理」ビザが必要です。会社設立に必要な資本金は500万円以上が目安で、事務所を確保し、安定的な事業運営が求められます。日本国内での雇用創出を促す政策的な側面もあります。

外国人が日本で就職するための手続きの流れ

① 自分に合った在留資格を確認する

就職を希望する業種や職務内容に応じて、どの在留資格が該当するかを確認することが第一歩です。たとえば、ITエンジニアや通訳として働く場合は「技術・人文知識・国際業務」、飲食や介護の分野なら「特定技能」に該当します。出入国在留管理庁(公式サイト)では、それぞれの資格に必要な条件や申請手続きを詳しく確認できます。

② 企業への応募と内定取得

希望する企業に応募し、採用が決定したら、雇用契約書を締結します。外国人を雇用する企業は、あなたが働く職種に適した在留資格を持っているかを確認しなければなりません。大学のキャリアセンター、ハローワーク、外国人雇用支援機関などの公的サポートを活用するのも有効です。

③ 在留資格認定証明書の申請(海外在住者)

海外から就職を希望する場合、企業または代理人が「在留資格認定証明書交付申請」を入管局に提出します。審査には通常1~3か月かかります。証明書が交付されたら、日本大使館または領事館で就労ビザを申請し、入国許可を得ます。この証明書の有効期限は3か月で、期限内に入国する必要があります。

④ 在留資格変更許可申請(国内在住者)

日本の大学・専門学校を卒業した留学生など、すでに日本に滞在している場合は「在留資格変更許可申請」を行います。提出先は最寄りの出入国在留管理局で、申請から許可まではおおよそ2週間~1か月です。許可後には新しい在留カードが発行され、正式に就労が可能となります。

⑤ 入国・在留カードの交付と就労開始

日本に入国する際、空港で上陸審査を受け、問題がなければ「在留カード」が交付されます。このカードは身分証明書として機能し、就労・転職・住民登録などのあらゆる場面で必要になります。就職後は、雇用保険・社会保険への加入手続きを行い、住民登録も速やかに行うことが求められます。

就職後に注意すべきポイント

在留期間と更新時期を必ず確認する

就労ビザの多くは1年または3年の有効期限があり、更新は有効期限の3か月前から可能です。更新を忘れると不法滞在と見なされるリスクがあるため、企業と本人の双方で管理することが重要です。

転職時の資格変更を怠らない

転職して職種が変わる場合は、「在留資格変更許可申請」が必要です。たとえば、ITエンジニアから飲食業に転職する場合、従来の「技術・人文知識・国際業務」では働けないため、資格変更を怠ると違法就労と判断されることがあります。

在留資格の範囲外で働かない

在留資格の範囲外の業務(例:コンビニや飲食店のアルバイトなど)を無許可で行うと、資格外活動違反に該当し、在留資格の取消や退去強制の対象になります。どうしても副業を行いたい場合は、入管に「資格外活動許可申請」を行う必要があります。

まとめ

外国人が日本で就職するためには、正しい在留資格の選択、企業との契約、ビザの申請・更新など、多くのステップを確実に進めることが重要です。特に、在留資格の内容を誤ると、就職後にトラブルになることもあります。出入国在留管理庁(公式サイト)で最新情報を確認しながら、計画的に準備を進めましょう。制度を理解して行動すれば、日本での安定したキャリア形成が実現できます。