日本で病気やケガをしたら・・・

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日本で病気やケガをしたら・・・

今回は、みなさんが「病気」や「ケガ」をしたときに、どうしたらよいか、についてお話をします。わたしは外国人として、ベトナムに住んでいますが、生活していて、不安なことの一つは「病気」や「ケガ」です。

みなさんにとっても、不安のひとつになる、日本の「病院」や「クリニック」。どのようなしくみなのか、外国人の受け入れをどのようにしているか、日本人として、お話します。

ここでは病院やクリニックのことを、あわせて「医療機関いりょうきかん」と書きます。

病院とクリニックのちがい

日本で病気になったときに、行くところは、「病院」と「クリニック」のふたつに分かれます。病院とクリニックはその大きさに違いがあります。病院はベッドの数が「20」以上あり、クリニックは「19」以下のところをいいます。 日本人でも、あまり知らないことですが、覚えておいてください。

医療機関のえらびかた

「病院」は、 風邪かぜせきのときに、行くことも出来ますが、 大きな病気やケガをしたとき、命にかかわることが、あったときに、行くところです。風邪や咳などの、軽い病気のときは、クリニックに行くことをおススメします。

病院は人も多く、時間がかかるので、いつでも、行くことができる、家の近くのクリニックを、知っていることが大事です。

医療機関のやくわり

医療機関の大きさは「クリニック → 病院 → 大きな病院」の順番じゅんばんでスケールが大きくなります。お医者いしゃさんに、 てもらいたいときは、まずクリニックに行きます。

もし病院に行かなくてはならない場合は、クリニックから病院へ連絡します。病院でも治療ちりょうがむずかしいときは、お医者さんが大きな病院へ連絡します。

病院では、命にかかわる患者かんじゃさんもいますので、軽い病気のときは、なるべくクリニックに行くことを、日本の病院は、おねがいしています。

外国人対応ができるかどうか

日本のお医者さんは、英語が話せる人が多いですが、ナースや受付のスタッフが、話せないことも多いです。日本に行ったら、近くのクリニック、または病院で、外国人の患者を受け入れている医療機関が、どこにあるか、必ず調べてください。

日本では、外国人の患者さんとのトラブルが多く、 本当は「すべての患者を受け入れること」が日本の医療機関のルールなのですが、「外国人の患者がお金を払わない」などのトラブルが多いため、外国人を受け入れないケースがあったりします。

また、外国人の治療については、日本人よりも高く費用がかかることがあるので、しっかり確認をしておきましょう。これは「差別さべつ」ではありません。

医療機関が外国人を受け入れるために英語・ベトナム語のテキスト、ガイドブック、問診票もんしんひょうを作り、通訳つうやくスタッフを用意し、それにお金をかけているからです。

診療科しんりょうかを知っておく

クリニックや病院には、治療ができるタイプが分かれています。どこの医療機関で何の病気をてもらえるか知っておきましょう。主な病気は次のリストを参考にしてください。

内科ないか

風邪かぜねつ、おなかが痛いとき。何の病気か、わからないとき、身体のようすが良くないとき、身体の中 =「うち」の病気のときには、まず「内科」行ってください。

外科げか

ケガをした、が出たとき、身体の「外」の病気・ケガのときは、外科に行ってください。

整形せいけい外科

ほねが折れた、筋肉きんにくにかかわる病気は、整形外科に行ってください。

そのほかには、目の病気は「眼科がんか」、耳やはなの病気は「耳鼻科じびか 」、の病気は「歯科しか」、心の病気は「精神科せいしんか」があります。

どうやって病気を伝えますか

病院に行ったら、日本語でうまく話しができないと思います。そうしたときは、

①外国語が話せる人や通訳サービスがあるか
②ベトナム語のテキストがあるか、
③通訳アプリケーションを使って話ができるか

これらのことを確認しましょう。

通訳アプリについては、日本の政府せいふが作っている「ボイストラ(Voice Tra)」という通訳アプリがあるのでインストールしてください。これは医療機関でも使えるように、作られたものです。インターネットがあるところでしか使えないので、気をつけてください。

また、日本の各地域・エリアでは、東京都を中心に、外国人向けのメディカルガイドブックを作成しています。ベトナム語バージョンを作っているところもあるので調べて、ダウンロードしておくとよいです。

たとえば、こちらのウェブサイトは外国人患者のために作られた、とてもためになるテキストが見れます。

ベトナム語テキスト(問診票)をみる「多言語医療問診票」
制作者:NPO法人国際交流ハーティ港南台 / 公益財団法人かながわ国際交流財団

日本の医療機関の取り組み

日本では東京オリンピックを2020年にむかえるため、さまざまな国の人が医療機関に来ることを考えて、4年前から、たくさんの準備じゅんびをしています。

すべての外国人が安心して、治療を受けることは難しいですが、外国人が多いエリアを中心に、とてもがんばって準備をしています。

また、そうした外国人の受け入れができる医療機関をみとめるライセンスがあります。これを「JMIP(Japan Medical Service accreditation for International Patient ):ジェイミップ」といいます。

こうしたライセンスを、もっている病院やクリニックが近くにあるかどうか、日本に行ったら必ず調べてください。

病院やクリニックに行ったら・・・

病院やクリニックに行かないことが一番良いです。ただ、もし行ったら次のとおりにしてください。

①受付に行って、「はじめて/〇回目」であることを伝える。
保険証ほけんしょう診察券しんさつけん、そのほか必要なものを渡す。※
名前が呼ばれるまで、案内あんないされたところで待ちます。呼ばれたら部屋に入って、お医者さんに病気のことを説明します。
④お金は必ず最後に払いますので、名前が呼ばれるまで、忘れずに待ちます。
⑤薬は病院の中にあるか、近くの薬局やっきょくに行く必要がありますので、案内されたところに行きます。
⑥病院やクリニックで受け取った紙は、必ず捨てないでおいてください。

日本の健康保険けんこうほけんのしくみ

日本では、「健康保険」というしくみがあり、治療にかかったお金は、個人が30%払い、70%は保険から払われます。みなさんは日本に行ったら、学校や会社を通してこの健康保険に入りますので、 ※②の保険証は必ず、いつも持っていてください。保険証が無いと、医療機関で受付ができません。

ただし、健康保険は、予防接種よぼうせっしゅ:(ワクチン)や健康診断けんこうしんだんなどには使えないので注意してください。インフルエンザのワクチンを受けたいときは、学校や会社に相談して、自分で払うかどうか、をしっかり確認しましょう。

日本に行ったら、お医者さん、ナースの方、日本人の友だち、会社の人、ドラッグストアの人など、病気について、相談できる人を見つけてください。