先日、とても残念なニュースがありました。
【ニュース概要】
- 外国人の「在留資格取消し」は、2018年に832件と、これまでで一番多い。
- 国籍別では、ベトナム人が416件と最も多い。
- この中では留学生や技能実習生が多く、学校や実習先から逃げて働いていた。
参考元: ベトナム総合情報サイトVIETJO [ベトジョー] (8月22日記事)
こうしたことから、日本では、外国人の犯罪に対する「取り締まり」を、とても強化しています。
「出入国在留管理庁」では、不法滞在の外国人に関する情報提供を求めるサイトがあり、多くの外国人と企業が、このサイトに「通報」され、摘発されています。
最近日本では、外国人の犯罪、不法滞在について、ニュースを観ることが、多くなりました。これらの番組では、外国人が違法で働いている会社に、「取り調べ」をする人が訪問、ベトナム人が捕まるシーンが放送されています。
そこで働くベトナム人が、取り調べの人を見ると、あわてて逃げたり、隠れたりしますが、全員捕まり、施設に連行されていきます。こうしたニュースは、ベトナムに対するイメージに影響するので、とても心が痛いです。
今回は、日本で、どのような「外国人の犯罪」が増えているか、みなさんが「犯罪者」とならないために、知っておいてほしいことを、お話します。
不法滞在
不法滞在とは、決められた在留期間を過ぎて、資格がないまま、日本に滞在し続ける違法な行為のことです。
不法滞在をする外国人の多くは、「短期滞在」や「観光ビザ」で日本に入国するとウソをつき、その後日本に、長く(1年以上)留まり、仕事をしたりします。
こうしたケースの場合、日本へ入国する前にエージェントやサポート会社から、
- 「日本でビザ手続きをするから大丈夫」
- 「みんな同じやり方で日本に住んでいる」
- 「何かトラブルがあったらサポートする」
という、優しいことばを、聞き、だまされる人が多いのです。
不法就労
こうした不法滞在の外国人を違法だと知りながら、受け入れる企業も多くあり、 日本では不法就労 が増えています。
不法就労とは、働く資格がない、または、「認められた範囲でない仕事」をすることです。たとえば、留学ビザで日本に来た場合、「許可なく」アルバイトなどの仕事をすることは、「不法就労」です。
留学生の場合、「資格外活動」という許可を得ることで、週に「28時間以内」のアルバイトができます。これは、日本で生活するために、学習時間の邪魔にならない程度に、アルバイトを認めるものです。
なお、「不法就労」は、外国人だけではなく、雇用する日本企業、日本人にも罰則があります。このような場合、日本企業の人は、
- まわりの会社も、違法に雇用しているから、私だけ悪いとは思わない。
- 日本で仕事が無くなった外国人を働かせているんだから、私は悪くない。
- 外国人がリスクを理解してやっているから、会社に責任はない。
という、あなたのことを、大切に考えていない、無責任な人が多いのが、現実です。
中には、本当に法律を分かっていない人も多くいますので、まわりの人(友だち、先輩、日本人)が、全て何でも知っている、と思いこみ過ぎては、いけません。
運び屋
「運び屋」とは、外国から持ち込んではいけないものを、大きなスーツケースなどに隠して、密輸する人のことです。
先日のテレビ番組では、ベトナム人が何人も、空港の検査で引っかかり、荷物を没収されていました。没収されたものは、
- 「偽ブランド品」のバッグ
- 覚せい剤、麻薬
- 金塊
などで、麻薬などの違法薬物の場合、重い罪になることもあります。
こうしたものを、スーツケースの中に、2段底を作って隠したり、段ボールにテープをたくさん巻いたりして、中が見えないようにしているのです。
しかし、空港のスタッフがX線検査すれば、中身がわかりますので、悪いことはすぐに見つかります。こうした運び屋には、ならないように、気をつけてください。
もし、あなたが知らない人から、「日本の友だちに荷物を持って行ってほしい」「お金を払うので荷物を運ぶアルバイトをしない?」と誘われても、断ってください。
テレビでは空港のスタッフに荷物確認をされたベトナム人が、
- 「友だちに頼まれて持ってきた荷物だ。私は悪くない。」
- 「中に何が入っているかは分からないが、頼んできた友だちは悪い人ではない。」
- 「この荷物は、日本にいる友だちに、どうしても渡さなければいけない。」
と説明していましたが、中身が違法なものである限り、どれも許されるものではありません。アルバイトのようなつもりで「運び屋」をしてしまったら、あなたの人生は、狂わされてしまいます。
罰金刑は、数百万円になることもあるので、覚えておいてください。
偽造カード(在留カード、検定証書)
日本で滞在するための在留カードを偽造し、逮捕されるケースが増えています。また、先日8月20日には、「日本語能力試験(JLPT)」の合格証書を、偽造したベトナム人が、逮捕されました。
こうした犯罪は、偽造カードを見れば、「ニセモノだ」と、わかることもあれば、偽造カードを作っている人を、あやしいと感じた人が、通報することもあります。
偽造カードは、SNSなどで販売され、「ホンモノと違いがわからないようにできているから安心」と購入を勧めてくる人もいるようです。
しかし、在留カードの番号は、政府が管理をしているものであり、調べればすぐにニセモノかホンモノか、わかるのです。「いつか捕まるかもしれない」と不安な気持ちで、日本で生活することは、あなたのためになりません。絶対にやめましょう。
まとめ
こうした犯罪は、「知りませんでした」「私はやりたくありませんでした」という理由で、許してもらえるものではありません。
せっかく日本に行ったのに、犯罪をしてしまったら、その後の人生を狂わせ、あなたの家族を悲しませてしまいます。
今、このような犯罪をしていると気づいたら、 近くの「警察署」か「地方入国管理署」に相談に行ってください。 不法滞在の場合には、「収容」されずに、自分の国に帰ることが出来るケースもあります。
何よりも、犯罪をしないこと、事前に防ぐことが大切になりますので、この大切なことを、多くのみなさんとシェアしたいと思います。