履歴書の書き方について

履歴書の書き方について

今回は履歴書りれきしょの書き方について、お話します。私はベトナムで仕事をしていて、ベトナムの方の履歴書をたくさん見てきました。みなさんの履歴書は、とてもきれいな日本語で、たくさんの「気持ち」が伝わるものが多いです。

しかし、「細かなミス」を直して、「表現の仕方」を変えることで、もっと良くなる、と感じています。今回は「良い例」と「悪い例」を作りましたので、あらためて、履歴書の書き方をまとめていきたいと思います。

履歴書の書き方

この履歴書は、グエン・ニャット・バンさんが、2019年8月に書いたサンプルとします。

悪い例

直さなければならないところ、いくつ見つかりましたか。

イント(直さなければならないところ)

基本情報

  • ①顔が横を向いていて、アクセサリーが目立ち、背景に光があり、ビジネス向きではありません。
  • ②「日付」が2017年の古いままです。
  • ③「ふりがな」「電話番号」「メールアドレス」を書いていない、また、スペルミスがあります。
  • ④「年齢」の「26歳」が正しくありません。(この人は、91年生まれ、このとき2019年なので28歳です。)
  • ⑤「〇」で、どちらを選んでいるか。わかりません。
  • ⑥「連絡先」は、「現住所」と同じであれば、書く必要はありません。

学歴・職歴

  • ①「学歴」は「中学卒業」か「高校入学・卒業」から書くので、「幼稚園」「小学校」は、書きません。
  • ②自分の経歴に「敬語」は使いません。 例:「入学」「卒業」
  • ③「大学名」「学部・学科名」「入学・卒業」の間にスペースが空いていないので、読みづらいです。
  • ④「5月に高校を卒業、4月に大学に入学」と月日が前後しています。 「入学」「卒業」の年月、在学年数は、正しく書きます。
  • ④留学の「年月」が大学の期間と前後して、読みづらいです。※2016年:大学卒業→ 2012年:留学→ 2015年:語学学校)
  • ⑤入学した学科と、卒業した学科が違う場合は、説明が必要です。※この場合「転学部・転学科」と書きます。
  • ⑥学校名が「ひらがな」です。しっかりと漢字を調べ、書いてください。
  • ⑦「語学学校」と書くだけでは、「どこで(国名・学校名)」「何を」勉強したのか、わかりません。
  • ⑧2020年3月は、未来のことなので、2019年8月には「卒業」していません。※ここは「卒業見込み」と書きます。「卒業」は既に完了しているときにしか使えません。※また、大学を辞めたときは「中退ちゅうたい」と必ず書きます。

学歴・職歴②

  • ①「学歴」と「職歴」の間は、1行スペースを空けます。
  • ②「どこで(国名・店名)」「どのくらいの月日」「何をしたか」がわかりません。※良い例:「〇△×カフェ ホール(接客)キッチン補助」
  • ③(株)と書いてはいけません。※「株式会社」と書きます。
  • ④「学歴」または「職歴」の最後に「現在に至る」と書きます。
  • ⑤最後に右下に「以上」と書きます。

免許資格

  • ①試験に受かったものは「合格」または「取得」と書きます。
  • ②「習得」は、「覚える」という意味なので、「取得」と同じ意味ではなく、ここでは使えません。
  • ③「免許・資格」には、「結果」だけを書くので「思います」はここでは書いてはいけません。
  • ④「中上級」ではなく、JLPTの結果を書きます。「N2相当で、N1を受ける」だと、あなたの「本当の日本語スキル」が、わかりません。

志望動機、趣味・家族情報

  • ① こんにちは、~と申します。という挨拶で始める必要はありません。ここでは「私が貴社を志望した理由は~」から文を始めます。
  • ②「メーンバ×」「メセージ×」ではなく、「メンバー〇」「メッセージ〇」が正しいです。※日本語の「カタカナ」を、よく間違えている人が、とても多いので、スペルを確認しましょう。
  • ③希望給与を「志望動機」に書いては、相手に対して失礼になります。※希望条件は「備考」に書きます。
  • ③日本語は「。」で文章を終えます。※「~です.」とperiod(.)を書く人が多いので注意してください。
  • ④「ドラえもん」だけ、文字の大きさが変わっています。
  • ⑤文字のフォントが、「ワンピース」だけ違います。
  • ⑥仕事に関係のない話で、長く書くのは、やめましょう。
  • ⑦家族の情報は、「有・無」と「人数」を書きましょう。

備考(その他)

  • ①「希望給与~を希望する。」で「希望」という言葉が、2回ある。※「希望給与15万円」とだけ書きます。
  • ②履歴書の中で「~です・ます」のスタイルで書いていたが、ここだけ「~だ・~である」スタイルで書いている。
  • ②※悪い例:「私は明るい性格。チームワークは得意です。会社のために働く気持ちがある。」
    ②※良い例:「私は明るい性格です。チームワークを得意とします。会社のために働く気持ちがあります。」
  • ③具体的なことが書いていないので、アピール出来ていません。※パソコンのWord? Excel? Power Point?  ※日本語をどこで使った? ※どんなチームで?
  • ④「病気はない」と書くと、ただし、ケガはあると思われるかもしれません。
    ※健康状態が良いときは「良好」とだけ書きます。何か健康面で心配なこと、伝えたいことがあれば、ここで伝えてください。

良い例

これらをふまえて、 次の「良い例」をご覧ください 。

基本情報

ポイント(良いところ)

  • 何も書いていない項目、【空欄くうらん】がありません。
  • 日付、住所、連絡先、年齢がしっかり書いてあり、スペルミスもありません。

学歴・職歴

  • 年月が前後せず、時系列じけいれつで読むことが出来ます。
  • 「中退」「留学」「退職理由」について、きちんと説明出来ています。
  • 「現在に至る」「以上」が書かれています。

免許・資格

  • 試験のステータス(現在はN3取得、N2の結果待ちであること)が、わかりやすく、また、「N1を受けたい」という気持ちをアピール出来ています。

志望動機、趣味・家族情報

  • 志望動機について、自分の経験・スキル→アピールポイント→志望理由の順番で、わかりやすく書いています。
  • その会社のサービスを詳しく調べたことを、アピール出来ています。

備考・その他

  • 伝えたいことが、短く、わかりやすく表現出来ています。
  • 希望条件は、特に書くことがなければ「貴社の規定きていしたがいます」と書くと良いです。

まとめ

いかがだったでしょうか。これから履歴書を作るときの参考にしてください。履歴書書くうえで、大切なことは、「ウソは書かない」「履歴書は2枚までにする(3枚以上あると読む人が疲れてしまいます)」ことです。

あなたの履歴書を見る人は、同じ日に100人以上の履歴書を見ることもあります。よく見てもらうためには、「見やすい」「わかりやすい」履歴書を作ることを心がけましょう。

せっかく「あなた」を知ってもらう書類なので、時間をかけて、ていねいに作ることを、みなさんにお願いしたいと思います。