日本の言い伝え・風習について

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日本の言い伝え・風習について

世界には、さまざまな「言い伝え」があります。たとえばベトナムでは「赤ちゃんをほめてはいけない」という「言い伝え」があるようですね。日本にも、「言い伝え」はたくさんあります。そして、その中には、日本で生活しているときに知っておきたい「言い伝え」があります。

たとえば、日本では「夜に口笛を吹くと、泥棒どろぼうorヘビが、やってくる」と言われています。仕事や学校の帰り道に、気分が良くても、夜は口笛を吹かないように、気をつけてください。今回はこうした「言い伝え」や「習慣」をたくさん紹介したいと思います。

日本の言い伝え

日本の言い伝えで、良い、とされることを、縁起えんぎがいい」 悪い、とされることを、「縁起が悪い」と言います。日本の人と話すうえで、「縁起」という言葉を覚えておきましょう。

はしとお箸で、同じ食べ物をさわっては、いけない。

食べものをシェアするときに、お箸とお箸で渡し合うことは、日本ではタブーです。これは、お箸とお箸で、死んだ人の骨をつかむ風習があるため、食べ物でするのは良くない、とされているからです。

また、ごはんにおはしを差して、立てることもタブーです。これは死んだ人の前に、お箸を差したごはんをおそなえする風習からきています。

日本には「お箸」のルールがたくさんあるので、外で食べるときは気を付けましょう。お箸のマナーについて、紹介しているウェブサイトを見つけました。
参考:お箸のマナー/Cheer up English

写真を撮られると、魂が抜かれる

これは、とても古い言い伝えですが、カメラが出来たころ、自分の姿が写る写真を怖いと思う人が多くいました。その中で「写真に撮られたら、たましいが抜かれるぞ!」とうわさをした人が、いたようです。

この言い伝えは、日本の70才以上~の方を中心に、今も信じている人がいます。これに加えて、日本では写真を撮ることが禁止されているエリアがたくさんあり、また、プライバシーの問題に厳しい日本では、「写真に写さないでほしい」と思う人が多いので、外でカメラを使うときには、周りに気をつけてください。

血液型で性格がわかる

日本では、A・B・O・AB型の4種類で、次の性格に分類されると信じられています。

  • A型・・・まじめで、気配りができる。キレイ好き。
  • B型・・・わがまま、飽きやすい。
  • O型・・・おおらか、細かいことを気にしない。
  • AB型・・・天才肌、変わった人。

「あれ、B型の人は良いところないの?」と思った方、残念ながら「B型」という言葉は「ネガティブ」に使われることが多いです。「あの人絶対B型だよね。わがままだもの」というような使い方をします。ただ、私はB型の人と仲良くなることが多いので、B型のファンもいます。

トイレをキレイにすると美しくなる。

トイレには神様がいる、という言い伝えが日本にはあります。これは日本のトイレについてという記事でもお話しました。トイレをキレイにすると美人になる、妊娠にんしんをしている人は、トイレをキレイにしておくと、かわいい子が生まれると信じられています。

ちなみに、2010年に、日本で「トイレの神様」という曲がヒットしました。「トイレには神様がいる、毎日キレイにしたら、あなたも美人になるんだよ」という、歌手のおばあちゃんの言葉から出来た曲だそうです。この曲を作った「ウエムラカナ」さんという歌手を、調べてみてください。

トイレの神様-Youtube動画

テルテル坊主を作ると、天気が良くなる

日本では、 良い天気になることを願い、白い布や紙で「てるてる坊主ぼうず」という人形を作ります。日本人なら、小さいころに誰でも作ったことがあります。これをカーテンに吊るしておけば、次の日は晴れると信じていました。

また、このてるてる坊主の頭が下を向いていると雨になる、とも、言われています。日本で旅行やピクニックに行くときは、作ってみてはいかがですか。

一富士、二鷹、三茄子

この漢字は、一富士二鷹三茄子いちふじにたかさんなすびと読みます。これは新暦しんれき1月1日の夜、何の夢を見ると良いか、ということを表しています。1番良いのは、富士(山)、2番目に良いのは、鳥のタカ、3番目に良いのは、食べものの「茄子なす」と言われています。

なぜ、この3つなのかというと、それぞれ「音」が、縁起の良い言葉に近いからです。

  • 富士ふじ無事ぶじ不死ふし
  • たかたか
  • 茄子なすす※達成たっせい(コンプリート)すること

緊張したときは「人」という字を3回書いて飲む

プレゼンや、面接の前は、緊張きんちょうしますよね。そんなときに、日本では「人」という字を手に書いて、下の写真のように飲むふりをすると、緊張が無くなる、と信じられています。大切なイベントの前には、試してみてくださいね。

風邪を人にうつすと治る

風邪かぜを引いたとき、他の人に風邪をうつすと、自分が治ると言われています。自分がすぐに治ることはありませんが、インフルエンザなど、人から人にうつる病気はあります。日本ではこうした病気にかからないように、マスクをする人がたくさんいます。

電車やバス、人が多いところで、せきや、くしゃみをするときは、周りに「つば」が飛ばないように、注意してください。マスクをするか、ハンカチを口や鼻におくか、もし何も持っていないときは、洋服で口をおさえるようにしましょう。「くしゃみが私の服についた、どうしてくれるんだ」と、他の人とトラブルになることがあります。

ネコが顔を洗う/鳥が低く飛ぶと、雨がふる

ネコが顔を洗うか、鳥がいつもより低く飛んでいると、雨がふると言われています。これは私の小さいころからの経験で、いまだに信じています。動物たちは自然で起きることを、すぐにわかるといわれており、日本の地震が起きる前にも、海の生き物がたくさん死んでしまったり、鳥はいつもと違う動きをすると言われています。これは「言い伝え」でもあり、研究者たちが調べていること、でもあります。

夜に新しいくつを履いてはいけない

日本では、亡くなった人に新しい靴をかせて、夜に送り出す風習があります。つまり、「夜」と「新しい靴」は「死」をイメージしてしまうので、良くないこととされています。新しい靴を履くときには、少し汚れをつけて、出かけるという人も多いです。

この理由により、靴に泥を付けたり、ペンで靴のそこに×を書いたり、つばをつけたりする風習があるのです。もし、日本の人が自分の靴を汚そうとしてきたら、この「言い伝え」があることを思い出してください。また、雨の日に新しい靴で出かけることも良くないとされています。

耳たぶが大きい人は「お金持ち」になる

耳の下の「耳たぶ」が大きい人は、「えらい人」に多いです。私はこの「言い伝え」を今も信じています。これまで会った「社長」の多くは、耳が大きい人が多いのです。また、耳が内側に向いている人は、人の話を良く聞く人、ということを子供のとき教わりました。あなたの耳はどうですか?

また、足の指の人差し指が、親指よりも長い人は、自分の親よりも「出世しゅっせ:えらい人になる」すると言われています。この他にも、手の薬指が人差し指より長い人は「男性のう」人差し指が薬指より長い人は「女性脳」という話もあります。

この「指の長さ」については、海外でも研究されているようで、「言い伝え」ではなく、本当のことかもしれません。

火事の夢をみたら良いことがある

「夢占い」ということばを聞いたことがありますか。その日見た夢で、あなたの「気持ち」「未来のこと」を知ることが出来ると言われています。火事の夢は、一見縁起が悪い夢だと思うのですが、「火は新しいこと、エネルギーを表す」ため、あなたに良いことが起きると信じられています。

「4」と「9」は良くない数字

別の記事日本人の日本語で、数字について説明をしましたので、読んでください。

お見舞いにいくときは古いお札を渡す

最後に、これは、「言い伝え」というより、文化のひとつですが、お伝えします。知り合いが入院したときのお見舞みまい、または、亡くなったときに渡す「香典こうでん」は、古いおさつ(5,000円、10,000円)を使います。

反対に、結婚式などのお祝いには、新しいお札を使います。これは、お祝いごとに対して「この日を楽しみに、きれいなお札を準備して待っていました」という気持ちを表すためです。

なので、不幸なできごとに対しては「きれいなお札を準備している」と、失礼にあたるため、古いお札を用意します。

もし、コンビニなどで働いているときに、「新しいお札と交換してもらえませんか」と聞かれることがあるかもしれません。そのときは、こうした理由があるので知っておいてください。

まとめ

いかがでしたか。日本で生活するときには、これらの「言い伝え」を知っておくと、もっと日本文化のことが理解できると思います。この「言い伝え」はエリアによっても、意味が違ったり、ユニークなものがあったりするので自分でも調べてみてください。