世界には、さまざまな「言い伝え」があります。たとえばベトナムでは「赤ちゃんをほめてはいけない」という「言い伝え」があるようですね。日本にも、「言い伝え」はたくさんあります。そして、その中には、日本で生活しているときに知っておきたい「言い伝え」があります。
たとえば、日本では「夜に口笛を吹くと、泥棒orヘビが、やってくる」と言われています。仕事や学校の帰り道に、気分が良くても、夜は口笛を吹かないように、気をつけてください。今回はこうした「言い伝え」や「習慣」をたくさん紹介したいと思います。
- 1. 日本の言い伝え
- 1.1. お箸(はし)とお箸で、同じ食べ物をさわっては、いけない。
- 1.2. 写真を撮られると、魂が抜かれる
- 1.3. 血液型で性格がわかる
- 1.4. トイレをキレイにすると美しくなる。
- 1.5. テルテル坊主を作ると、天気が良くなる
- 1.6. 一富士、二鷹、三茄子
- 1.7. 緊張したときは「人」という字を3回書いて飲む
- 1.8. 風邪を人にうつすと治る
- 1.9. ネコが顔を洗う/鳥が低く飛ぶと、雨がふる
- 1.10. 夜に新しい靴(くつ)を履いてはいけない
- 1.11. 耳たぶが大きい人は「お金持ち」になる
- 1.12. 火事の夢をみたら良いことがある
- 1.13. 「4」と「9」は良くない数字
- 1.14. お見舞いにいくときは古いお札を渡す
- 2. まとめ
日本の言い伝え
日本の言い伝えで、良い、とされることを、「縁起がいい」 悪い、とされることを、「縁起が悪い」と言います。日本の人と話すうえで、「縁起」という言葉を覚えておきましょう。
お箸とお箸で、同じ食べ物をさわっては、いけない。
食べものをシェアするときに、お箸とお箸で渡し合うことは、日本ではタブーです。これは、お箸とお箸で、死んだ人の骨をつかむ風習があるため、食べ物でするのは良くない、とされているからです。
また、ごはんにおはしを差して、立てることもタブーです。これは死んだ人の前に、お箸を差したごはんをお供えする風習からきています。
日本には「お箸」のルールがたくさんあるので、外で食べるときは気を付けましょう。お箸のマナーについて、紹介しているウェブサイトを見つけました。
参考:お箸のマナー/Cheer up English
写真を撮られると、魂が抜かれる
これは、とても古い言い伝えですが、カメラが出来たころ、自分の姿が写る写真を怖いと思う人が多くいました。その中で「写真に撮られたら、魂が抜かれるぞ!」とうわさをした人が、いたようです。
この言い伝えは、日本の70才以上~の方を中心に、今も信じている人がいます。これに加えて、日本では写真を撮ることが禁止されているエリアがたくさんあり、また、プライバシーの問題に厳しい日本では、「写真に写さないでほしい」と思う人が多いので、外でカメラを使うときには、周りに気をつけてください。
血液型で性格がわかる
日本では、A・B・O・AB型の4種類で、次の性格に分類されると信じられています。
- A型・・・まじめで、気配りができる。キレイ好き。
- B型・・・わがまま、飽きやすい。
- O型・・・おおらか、細かいことを気にしない。
- AB型・・・天才肌、変わった人。
「あれ、B型の人は良いところないの?」と思った方、残念ながら「B型」という言葉は「ネガティブ」に使われることが多いです。「あの人絶対B型だよね。わがままだもの」というような使い方をします。ただ、私はB型の人と仲良くなることが多いので、B型のファンもいます。
トイレをキレイにすると美しくなる。
トイレには神様がいる、という言い伝えが日本にはあります。これは日本のトイレについてという記事でもお話しました。トイレをキレイにすると美人になる、妊娠をしている人は、トイレをキレイにしておくと、かわいい子が生まれると信じられています。
ちなみに、2010年に、日本で「トイレの神様」という曲がヒットしました。「トイレには神様がいる、毎日キレイにしたら、あなたも美人になるんだよ」という、歌手のおばあちゃんの言葉から出来た曲だそうです。この曲を作った「ウエムラカナ」さんという歌手を、調べてみてください。
テルテル坊主を作ると、天気が良くなる
日本では、 良い天気になることを願い、白い布や紙で「てるてる坊主」という人形を作ります。日本人なら、小さいころに誰でも作ったことがあります。これをカーテンに吊るしておけば、次の日は晴れると信じていました。
また、このてるてる坊主の頭が下を向いていると雨になる、とも、言われています。日本で旅行やピクニックに行くときは、作ってみてはいかがですか。
一富士、二鷹、三茄子
この漢字は、一富士二鷹三茄子と読みます。これは新暦1月1日の夜、何の夢を見ると良いか、ということを表しています。1番良いのは、富士(山)、2番目に良いのは、鳥の鷹、3番目に良いのは、食べものの「茄子」と言われています。
なぜ、この3つなのかというと、それぞれ「音」が、縁起の良い言葉に近いからです。
- 富士=無事・不死
- 鷹=高い
- 茄子=成す※達成(コンプリート)すること
緊張したときは「人」という字を3回書いて飲む
プレゼンや、面接の前は、緊張しますよね。そんなときに、日本では「人」という字を手に書いて、下の写真のように飲むふりをすると、緊張が無くなる、と信じられています。大切なイベントの前には、試してみてくださいね。
風邪を人にうつすと治る
風邪を引いたとき、他の人に風邪をうつすと、自分が治ると言われています。自分がすぐに治ることはありませんが、インフルエンザなど、人から人にうつる病気はあります。日本ではこうした病気にかからないように、マスクをする人がたくさんいます。
電車やバス、人が多いところで、咳や、くしゃみをするときは、周りに「つば」が飛ばないように、注意してください。マスクをするか、ハンカチを口や鼻におくか、もし何も持っていないときは、洋服で口をおさえるようにしましょう。「くしゃみが私の服についた、どうしてくれるんだ」と、他の人とトラブルになることがあります。
ネコが顔を洗う/鳥が低く飛ぶと、雨がふる
ネコが顔を洗うか、鳥がいつもより低く飛んでいると、雨がふると言われています。これは私の小さいころからの経験で、いまだに信じています。動物たちは自然で起きることを、すぐにわかるといわれており、日本の地震が起きる前にも、海の生き物がたくさん死んでしまったり、鳥はいつもと違う動きをすると言われています。これは「言い伝え」でもあり、研究者たちが調べていること、でもあります。
夜に新しい靴を履いてはいけない
日本では、亡くなった人に新しい靴を履かせて、夜に送り出す風習があります。つまり、「夜」と「新しい靴」は「死」をイメージしてしまうので、良くないこととされています。新しい靴を履くときには、少し汚れをつけて、出かけるという人も多いです。
この理由により、靴に泥を付けたり、ペンで靴の底に×を書いたり、つばをつけたりする風習があるのです。もし、日本の人が自分の靴を汚そうとしてきたら、この「言い伝え」があることを思い出してください。また、雨の日に新しい靴で出かけることも良くないとされています。
耳たぶが大きい人は「お金持ち」になる
耳の下の「耳たぶ」が大きい人は、「えらい人」に多いです。私はこの「言い伝え」を今も信じています。これまで会った「社長」の多くは、耳が大きい人が多いのです。また、耳が内側に向いている人は、人の話を良く聞く人、ということを子供のとき教わりました。あなたの耳はどうですか?
また、足の指の人差し指が、親指よりも長い人は、自分の親よりも「出世:えらい人になる」すると言われています。この他にも、手の薬指が人差し指より長い人は「男性脳」人差し指が薬指より長い人は「女性脳」という話もあります。
この「指の長さ」については、海外でも研究されているようで、「言い伝え」ではなく、本当のことかもしれません。
火事の夢をみたら良いことがある
「夢占い」ということばを聞いたことがありますか。その日見た夢で、あなたの「気持ち」「未来のこと」を知ることが出来ると言われています。火事の夢は、一見縁起が悪い夢だと思うのですが、「火は新しいこと、エネルギーを表す」ため、あなたに良いことが起きると信じられています。
「4」と「9」は良くない数字
別の記事日本人の日本語で、数字について説明をしましたので、読んでください。
お見舞いにいくときは古いお札を渡す
最後に、これは、「言い伝え」というより、文化のひとつですが、お伝えします。知り合いが入院したときのお見舞い、または、亡くなったときに渡す「香典」は、古いお札(5,000円、10,000円)を使います。
反対に、結婚式などのお祝いには、新しいお札を使います。これは、お祝いごとに対して「この日を楽しみに、きれいなお札を準備して待っていました」という気持ちを表すためです。
なので、不幸なできごとに対しては「きれいなお札を準備している」と、失礼にあたるため、古いお札を用意します。
もし、コンビニなどで働いているときに、「新しいお札と交換してもらえませんか」と聞かれることがあるかもしれません。そのときは、こうした理由があるので知っておいてください。
まとめ
いかがでしたか。日本で生活するときには、これらの「言い伝え」を知っておくと、もっと日本文化のことが理解できると思います。この「言い伝え」はエリアによっても、意味が違ったり、ユニークなものがあったりするので自分でも調べてみてください。